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        ミステリアスな琵琶のルーツ / 四ノ宮という地名 / 四ノ宮琵琶とは? / 誰もが自由に想像のままに

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                  ミステリアスな琵琶のルーツ

 

 琵琶には楽琵琶、平家琵琶、筑前琵琶、薩摩琵琶などいくつかの種類があります。楽琵琶は宮内庁や神社、寺院などで受け継がれる「雅楽」

に使われる大型の琵琶です。平家琵琶は楽琵琶とほぼ同じ造りの琵琶で、楽器を水平にして弾きますが、柱(じ)と呼ばれるフレットが楽琵琶4つ

に対し平家琵琶は5つあります。また平家琵琶は平曲と呼ばれ、歴史物語を語りながら相槌的に入る演奏に使われますので、高音の声域に合わ

せて楽琵琶にフレットを1本足した経緯が見てとれます。平曲は鎌倉時代初期に、生仏という僧の手によって成立されました。それ以前にも盲

目でお経や教訓めいた物語、地鎮の呪文を語るような琵琶法師がいたことが知られています。当時はおそらくまだ四本のフレット、楽琵琶と同

じ作りのものを使用していたと考えられます。

 平家琵琶で用いる音階は、雅楽の黄鐘調に当たり、明らかに雅楽器からのルーツといえますが、盲目の法師たちがなぜ、当時ではまだ珍しく

国宝級であった楽琵琶の使用が可能であったのか、大いなる謎が残ります。江戸時代に見られた当道という組織の琵琶法師である検校が、当時

の権力者の前で弾き語ったことなど、常に権力者との太いパイプがあったことは、何かしら歴史的な背景があったのかもしれません。この辺り

については、記録も少なく音楽史的にも、民族学史的にも、専門家たちの目からのエアポケットとなっています。

 そんな中で、楽器の編成から考察した研究はこれまで一切なされてきませんでした。日本古典音楽のルーツであるにも関わらず、深く議論さ

れてこなかったことが不思議でなりません。

 

                    四ノ宮という地名の由来

 

 京都市山科区四ノ宮。京阪京津線山科駅の一つ西にある小さな駅周辺の町です。この四ノ宮という地名は平安時代の琵琶の名手であった貴族

に由来するという説が一般的です。この地の名家「四宮家の古文書」や、それを参考にした盲目の琵琶法師たちに伝わった「当道要集」によると、

仁明天皇第四皇子であった人康親王(さねやすしんのう)が28歳の時に目を患われ失脚、この四ノ宮に隠棲し、同じ境遇の目の見えない法師たち

に琵琶を教え、生業の道を拓かれたと書かれています。

 またこの親王のことは、在原業平が主役で知られる伊勢物語にも「山科禅師」として登場し、滝や小川を体裁よく配した山科の屋敷に住んでい

たことが描かれています。柳田邦男を主とする民族学的な研究の見地では、この人康親王を「山科禅師」とするには説得力に欠け、盲目の法師た

ちの権威付けの意図が見え信用できないとされています。ですが、音楽史や楽器の編成の歴史から垣間みれば、藤原貞敏という遣唐使が中国から

玄象や青山などの琵琶の名器を持ち帰り、仁明天皇に献上したという史実からも時代が合い、人康親王が琵琶の名手で、病で失脚し山科に隠棲、

当時延暦寺に再興された三井寺の盲僧たちと交流を持ち、盲目の琵琶法師発祥となる筋書きは、意外とすんなり受け入れられるようにも思います。

 

                      四ノ宮琵琶とは?

 

 いずれにしろ、この「四ノ宮(人康親王)さん」は、現在、ゆかりの地に住む私にとっては、ヒーロー的存在に他なりません。彼の存在を信じ、

この言い伝えを信じて彼が生きた時代にどんな風に琵琶が弾かれていたか、和歌に合わせて、ポロンポロンとつま弾いたことや、ご機嫌うかがい

にやって来た三井寺の盲僧たちとともに、お経に合わせてジャンジャン掻き鳴らしたことなど、ついつい自由に想像してしまいます。

 そんな人康親王が、つま弾きバチで掻き鳴らしたであろう楽琵琶の仕様をしつつ、雅楽の琵琶のように大きくては持ち歩きできないので、ひと

まわり小さくしたという琵琶法師さんご愛用の平家琵琶の大きさの小琵琶、それを四ノ宮琵琶と名付けました。そして、楽琵琶としての弾き方や

部位の名称を受け継ぎつつ、現在の音楽教育にも対応していける相対的なドレミファソラシドの音階が出せる、現代の新しい琵琶として位置づけ

てゆければと思っています。

 

                    誰もが自由に想像のままに

 

 現在の琵琶の仲間では、楽琵琶や平家琵琶のほかに江戸末期や明治時代に九州から盛んになった筑前琵琶や薩摩琵琶もよく知られています。

流派により弾き方や譜面はそれぞれ違いますが、いずれも琵琶は立てて構え、弦を押し沈めて音の高低を操作し、軍記物や絵巻物にある古典を

語り唄いながらその伴奏として用います。これらの琵琶は楽器というよりは、語りが主で、その調子や伴奏の入れ方などを師匠について学び腕

を磨くというお茶や詩吟などと似た世界です。気品があり、日本の伝統芸能である重みがあります。

  一方、四ノ宮琵琶はどちらかといえばウクレレや三線に近い、楽器として誰もが自由に弾ける琵琶を目指しています。雅楽器の琵琶は、遥か

何千年前に遠くペルシャから中国を経て奈良時代に日本へ伝わった東西を越えた楽器の原型です。そのシンプルさ故に、さまざまな弦楽器に通

じる神髄が備わっていると感じています。

 本格的な琵琶への門を叩くきっかけとして、また現在ギタリストやベーシストとしてご活躍の方々でもご自分の想像にまかせて、自由にかき

鳴らせるそんな琵琶でありたいと願っています。こんな新たな分野開拓にご興味がおありの方はどうぞ、下記までご連絡ください。           

 

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